山暮らしその12
随分日の出が遅くなってきた。山の夏は短いことを実感。「この日」はいつもより早起きして、北岳のモルゲンロートをぼんやり眺めてみた。朝の空気はいつもより冷たく感じる。
「この日」を最後に山を降りるバイト仲間を見送る。日に2便しかない林道バスに乗っていくつかの鉄道や飛行機を乗り継ぎ、熊本に帰るそうだ。
Mさん54歳。奥さんと共に、数ヶ月バイトしてそのお金で数ヶ月旅に出て、お金がなくなるとまた数ヶ月バイトして旅に出てを繰り返しているといっていた。不安を考え出すとキリがないので、目の前にある楽しそうなことをやって生きていくって考え方。自分の歳になっても衝撃を与えてくれる人との出会いができたので、ここにきたことは間違いじゃなかったな。
同時に、別れの辛さもひとしお。
40日あまり、一緒に暮らして一緒に働いて一緒に悩み苦しみ笑っていたのに。Mさんの記憶にも自分が残れるといいんだけどな。
バスが走り去った後はぼーっとしてしばらく動けやんでいたら、こいつが飛んできた。
励ましてくれるのか?
「家に帰ろかな」。
山が好きで山の中で暮らすとどんなに幸せな気持ちになれるのか、山の景色は自分に何を与えてくれるのか、そんな巨大な期待が毎日ちょっとづつ
しぼんでいくのが分かったり、目を逸らしてみたり。
結論として、憧れを日常にしたらあかんってこと。山は非日常だから憧れもするし行けば楽しいし帰りたくないなと思うし。けど、今は大阪の家が憧れになってしまった。
変なの。。。
11月の小屋閉めまでいるつもりだったけど、そろそろ自分も山を降りようと思います。
山暮らしの日々を書くのも、あと少しかな。
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コメント
うちの前は児童公園です。
「いややぁ〜帰らへん」てゆーて遊んでた子ども達もいつしかみんな家に帰っていく。帰れるおうちがあるってハッピーやわね。
一生分の思い出できたんちゃいます?
残りのお山生活、どうか気をつけて。
投稿: キルワニ | 2022/08/23 21:06
●キルワニねーさんこんにちわ。大阪駅に降り立つイメージを毎日想像してます。案外蒸し暑さにびっくりしながら何事もなかったように家路をとぼとぼ歩いていくような気がしてます。まずは銭湯に行きたい!w
投稿: ロラお | 2022/08/25 12:11