山暮らしその11
自分で調理したり社員さんが作ってくださったりしてる「賄い」。野菜は一応食べているけど、基本は「腹一杯にする」ことなので、必然的に炭水化物が中心で、魚は加工したものばかり。たまに甲府に降りても忙しくて魚を食べる時間がなく、かれこれ40日以上「生の魚」を食べていない。
日帰りで意を決して「寿司屋」へ行き、ランチメニューに載っていた最高峰を注文。
体に染み込んでいくのがわかる。次に口にできるのはいつになるやら。
早立ちの登山者向けに朝ごはんを作る風景。こっちも寝起きで朦朧とした意識で作るので、たまにかまぼこが足りなくなったり。
朝ご飯の賄いにもみんな胃腸が疲れてきたので、にゅうめんの卵とじ作ってみた。染み込む。
カミキリ虫の来訪。
小屋に対する想いが違ったり、社員とバイトの立場がうまく噛み合わなかったり、指示のされ方が気にいらなかったり、下から上を見てもどかしかったり、狭い共同生活の中で不満がどんどん膨らんでいって、とうとうお互い口も聞かなくなってしまった。
ギクシャクを絵に描いたような日々が続いた。もう山を降りて帰ろうかなと何度も考えた。
多様性を認めるなんてそんなに簡単なもんじゃない。ましてや同じ屋根の下で40日以上一緒に暮らせば本当に色々ある。
昨日、ようやくその硬い雪が溶けた。
久しぶりにうまい酒を飲んだ。高級なシャインマスカットを食べた。みんな想いは同じ方向を向いた。
この山小屋っていう小さな「宇宙船」は再び正しい軌道を描き始めた。
こんな歳になっても、忘れられない思い出の夏になるなんてな。
挑戦してよかったよ。
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コメント
アニキ。よかったです。
そちらに行ってみたかったけど親父。入院中で。
投稿: ひでりん | 2022/08/19 15:51
●ひでりんアニキおはようございます。ありがとうございます。ご家族第一ですよ。こちら、元気でやってます!
投稿: ロラお | 2022/08/20 09:29
硬い雪が溶けたのもロラ男さんが今まで経験されてきた事の結実やと感じます。
このまま宇宙船が正しい軌道を描いて無事に地球に帰還される事を願っております。
投稿: ぺろんぱ | 2022/08/20 15:43
●ぺろんぱさんこんにちわ。みんなの歩み寄りがあって、みんなが一皮剥けて、みんなが成長した感じでした。ものすごく勉強になりました。貴重な経験でした。こんなことがあるからまだまだ知らないことに挑戦していきたいですね。
投稿: ロラお | 2022/08/22 21:08