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2022/07/29

山暮らしその7

毎日そこそこの出来事あるが、なんせネット環境が弱くて投稿出来ず。 

先日は初の給料日。金額を見て一瞬たじろいだが、家賃光熱費食費全てタダだと思い返せば、そこそこやなと。

で、飽きるほど食ってる桃を自宅にも送ってみた。

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山梨はフルーツ王国だそうで、毎日それこそ、社員さんが自宅から持ってきてくれた桃を大量に食ってます。それこそ飽きるほど。

飽きるほど桃食ってるのは人生でこれが最後かも。

送ったついでに甲府で飲んだ。当然小屋に戻るバスはもうない。仕方がなく、3000円のドミトリーをネットで見つけて泊まってみたら、見知らぬ人と、二段ベッドでの一夜。

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盆地で風のない街が甲府。もう、大阪や京都の比ではないほど暑い街で、早々に小屋へ逃げ帰った。(写真は市内から見える甲斐駒ヶ岳)

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甲府名物の「ほうとう」がある日の賄いにでた。「おざら」という食べ物は、これの冷たいつけ麺バージョンで、機会があれば食ってみたい。

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テント場の便所掃除をしていたら、どこやらの高校山岳部の皆さんが登っていかれた。高校生で山に興味があるっていいなぁ。

 

 

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登山客がいなくなった居室を掃除していると、クワガタのメスによく出くわす。あと、休み時間にヤマメを釣りに行くんだが、全くうまく釣れない。でも、渓谷まで5、6分というロケーションは幸せなのかも。

 

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ようやく、北岳に登ってみた。富士山や八ヶ岳、南アルプスの名だたる名峰も見えたが、頂上に立った時の感動の薄さに驚いた。

苦労して休暇を申請し、計画や準備でワクワクしたり、天気で気を揉んだりという工程を何一つ経ず、朝起きたら天気がよかったので、玄関から徒歩30秒で登山口という環境が

感動を薄めていることに気がついたまで。

いつか地元大阪に戻ったら、「憧れは、遠く離れている方がいいもんだ」と思えるようにしなきゃな。

 

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山頂直下の山小屋も、同じようにバイトが頑張ってた。いよいよ夏休みがすぐそこ。

明日もたくさんの登山の人の楽しそうな顔が見られるといいかな。

 

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2022/07/19

山暮らしその6

「人間の体重の重さに衝撃受けた」話。

比較的穏やかに時間が過ぎていた。昼に一件電話がなったので出てみると「今、XXの稜線にいる。夕方ちょっと遅くなるけど素泊まりさせて欲しい」という問い合わせ。

予約も少ないのでOKだと伝えたが、夕方から天気が崩れる予報が出ていたので「もし途中の小屋に泊まるなら、連絡ちょうだいね」と心配して伝えると「俺、20時間くらい歩けるので大丈夫っすよ!」と、ちょっと嫌な返事返ってきた。キミが歩けても、熊が通せんぼするかもしれないし、道が突如崩れるかもしれないし、山は何があるかわからないのに、、、。まっ、気にしないでおこう。

一通り、お客さんの晩飯が終わった頃に、小屋の外で支配人に手招きされた。

そこには偶然常駐していた山岳連盟の会長もいらしてて、予約時間を2時間以上過ぎてるのにまだ小屋に到着しない客の安否について支配人と会話している最中。

上の小屋からは彼らが通過した報告を電話で受けていたのだが、その時、当人から電話があり、メンバーの一人がもう歩けなくなっていると。

支配人に「今から行けるか?」と聞かれて、果たして自分のような素人が救助活動できるのかと躊躇ったり、練習では何度かやったことがあるのと、遊びで近くの岩に登ろうと思って持ってきたロープや登攀具を頭の中で整理し、もうなんか知らんけど行くしかないのかという状況に。

しかし、

熊や鹿や猿がうじゃうじゃいる山道で、夜で、小雨で、という抜群に怖いシチュエーション。

足元はでかい石だらけで、ここを人間背負っておりられるのか?と、頭の中は「あかん思考」で一杯一杯に。

ともあれ、こちらの照らすヘッドライトを見た彼らの安堵した表情は忘れられない。

暗闇に差す光は、どんだけ小さくても希望になる、、、のかと思ったり。

ザックとトレッキングポールで簡易搬送具を作ったが、雨の夜にほぼ手探りでの作業はなかなかイライラ。

で、要救助者は女性で見かけの体重はざっと50キロメートルと読んだが、

「全然立ち上がれやん」。

雄叫びをあげて気合いを入れて会長や支配人や彼女のツレにも手伝ってもらって、地面に穴開く、ゆーぐらい足踏ん張ってようやく立ち上がったら、もうそれだけでクラクラきた。

自力歩行できないほどぐったりした人間の重さは推定60キロメートル超えてんぞ、、、って感じ。

支配人に先頭を歩いてもらい、その肩を必死で掴んで段差を半歩づつ下る。汗が噴き出る。また半歩よろめく。汗が噴き出る。一瞬スリップして観念しつつ天を仰ぎそうになると、後方からロープで引っ張り上げてもらってる人に引いてもらう。

また汗が噴き出る。

全身の筋肉破裂するんじゃないかとか、ああ、晩飯食ってくればよかったとか、あと5歩くらいしかもう動けんとか、もっと痩せてから山にきてくださいねとか、

頭の中をぐるぐる。

そして支配人に交代してもらいつつ、小屋へ。

乾燥室に彼女を運び込み、毛布で保温したり、救急車の手配(2時間かけて走ってきた)、警察への連絡など、素人の自分には到底わからないことは全て会長やバイト仲間が。自分は小屋の外で雨に打たれて

放心状態。

彼女が助かって、救急車利用ではあるけど無事下山できてよかった。けど、原因はそもそも意外なとこにあって、それはまたおいおい。

「見たことのない世界をみたい」と思ってこのバイトに飛び込んできたが、

濃厚すぎる夜でした。


 

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2022/07/14

山暮らしその5

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休憩時間はいつもの巨大なソファーで。

北岳に向かう吊り橋の上から、登山者が不思議な顔して自分をスマホのカメラで撮ってる時がある。あいつはあんなところで呑気に何してんだろう?ってとこかな。

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ほんの少しの晴れ間に、ヘリコプターの荷上げを。

連日天気が良くない。山頂付近に点在する小屋は、荷上げが思うように進まなくてヤキモキしているみたい。だから、少しでも晴れ間が除くと、ものすごい回数でヘリが往復して荷上げしている。

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森の中のテント場掃除とか。登山よりも、ヤマメを釣りに来ているお客さんのテントが多い感じ。

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通行止めになった林道の偵察とSNSへの情報展開。南アルプスは地盤がとても脆くて、雨が続くとすぐに崩落してしまう。

直しては崩落、直しては崩落の繰り返しだそうです。

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時々やってきてくれる、優しい珍客。実は結構昆虫が好き。特に、クワガタとかカブトムシの匂いがちょっと好きだったり。

仕事で疲れて庭でしゃがんでいる時に、励ましにやってきてくれる。無理すんなよ、、、そう言ってるのかどうなのか。

新しいバイトさんもようやく雰囲気に慣れてきた矢先の雨続き。もう掃除し尽くしてしまって、本当にやることがない。

サラリーマン時代は、仕事の結論や方向性、ゴールが曖昧なまま突っ走れ!と言われ続けていた気がしたけど、今は違うな。

立ち上げたばかりの山荘をなんとか軌道に乗せて、登山者に喜んでもらいたいという経営母体(というか、実際に運営にあたられている社員さんたち)の意思は、自分達バイトも共感しているし、同じ船に乗った者としてオールを揃えて漕ぎたい。

こーゆー気持ちは初めてかも。

お金が欲しいわけじゃなくて(欲しいけど)、見たことのない世界や感じたことのない空気、知らない人たちとの出会い、さまざまな「未知」を体験したくてここに来たのだから、この先起こりうる出来事全部を

腹一杯詰め込みたいかな。

明日こそ、晴れるといいな。

 

 

 

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2022/07/08

山暮らしその4

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今日の朝の賄い。「桃、食べ放題」。商品に漏れた形の悪い桃が一個当たり10円ほどで買えるという事実に驚愕。

桃ってのはスーパーで「眺めるだけ」の物だったのに、甲府凄い。

休暇は明日だが、その前日の今日、下山する社員さんにお願いして甲府まで車に乗せてもらって、駅前の安いビジホに潜伏中。

iphoneユーザーとして山小屋生活以来ご無沙汰していた「アプリのアップロードがしたい」という悲しい理由で、どうしても安定したwifi環境に身を置きたかったので。

自然の中で暮らしたいと思いながら、スマホの面倒を見たいというなんとも矛盾した気持ちが情けない。けれど、風呂上がりにTV電話で二週間ぶりに孫氏と喋ると、ちょっと大阪に帰りたくなったな。

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少し前の休暇で、「白鵬峠」まで散歩に行った写真。有名な「地蔵岳」への登山道で、大阪からここまで行くとなると数万円の交通費と休暇の取得に四苦八苦するんだろうな。けど、小屋住まいの今は全て無料だ。

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北岳も見慣れてしまうとなんてことない(贅沢だ)。

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小屋の前で、メスのクワガタを見つけた。猿も鹿も日常的にウロウロ。勇気を出して体験を買いに来た身としては、熊に出会ってもいいわという気持ち。

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別の日のこと。山頂の小屋にヘリで物資を送るための梱包作業。トイレも空を飛ぶ。数ヶ月後にはババも空を飛ぶ。

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休み時間はひたすら森の中でウロウロ。

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休み時間は、真横をヤマメが泳ぐのをぼんやり見ながら、寝たり起きたりの繰り返し。

何か難しいこと考えようかなと思っても、脳味噌に浮かばないのだから仕方ない。もう、難しいことを考える力が無くなってしまったかも。

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3食の飯はこんな感じになってしまった。それでも体重は減り気味。標高1530メートルで暮らすと、息苦しいし腹も減る。

迷いは大事やが、迷って終わってしまうのは勿体無いと思う。いくらでも分岐点や避難路はあると思うので、やろうかどうしようか食べようかやめとこうか飲もうかよそうか買おうかやめようか着ようか脱ごうか立とうかしゃがもうか、

どっちを選んでも

おもろいことが起きると思って

いこや。

明日から新しいバイトさんが来るので楽しみ。

 

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2022/07/06

山暮らしその3

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うってかわって昨日のディナー。

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今夜のディナー。

酷い雨が続いて、予約のお客さんが全てキャンセルしてきたので、節約。

暇を持て余して、何度も同じところを掃除したり、山を眺めたり、近所の森へ散歩に出たりして時間の経過をひたすら待つ、、、な日々。

けど、こんな暮らしがしたかったので、今は幸せだとしか言葉が出ない。

テレビも無い、ネットも爆おそ。

でも、明日が来るのが楽しみで仕方ない。

外は凄い雷だ。今夜もよく眠れそう。






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2022/07/04

山暮らしその2

こっちきて12日経過。初めて甲府の街へ降りてみた。路線バスは日に3往復しかないので、滞在時間30分。

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myガソリンをかったのみ。あとは

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自分的にはひじよーに珍しいソフトクリームなど。やっぱりちょっと街の味が恋しかったのか。

ところで、小屋の賄いが連日凄いことになっているので。

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メガ盛りの焼き飯に

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生姜焼きとデカ盛りのすいとん。美味かった。

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また別の日は、この絵面のご飯三杯と

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デカい有頭海老フライモリモリ。 

とか、

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パスタ二人前強とか。

連日3食全てこんな感じ。高校3年当時の胃袋に戻りつつあるが、それでも体重が減ってってビビってます。 

いやー、山小屋仕事は、刺激的ですわー。


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