行場
先週末の孫氏との旅行。伊勢の宿へ行く前に、三重県松坂市にある「伊勢山上」という寺に寄ってきた。寺社巡りのためではなく、ここの行場が登山雑誌に紹介されていたので。
寺の本堂でまず受付。受付といっても行場の見取り図を目の前に出され、それぞれの難易度(危険度)と回避路の説明、そして最後に誓約書(谷底へ滑落しても依存ありません)にサインし、入山料500円を支払う。ときにはその険しさにしり込みして入山せずに帰ってしまう人も少なくないと聞く。
ホンマかいな?とにわかに信じられずに行場巡りへ。
「ホンマでした」。
レジャーのための登山道ではないので、危険な場所に柵などもなく、落ちたらアウトな場所の連続。自分はなんとか全ての行場を回ったが、小池さんはほとんど迂回路使っていたし。
行場の開祖は西暦600年当時、この場所を見つけて行を行ったと書いてあった。
SNSも地図もコンパスも、そして当然整備された道もない時代に、どうやってこんな行場を見つけたんだろう。なにかに導かれてというのも、まんざら嘘じゃない時代だったのかも。
何日にもわたってこんな山奥の危険な場所で行を積むと、何が見えてくるんだろう。
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一昨日、職場の後輩が懲戒になった。
家族にも連絡をせず姿を消し、無断欠勤が続いてしまい、そのまま静かに懲戒手続きが行われたと聞いた。
実は15年くらい前にも一度姿を消したことがあり、週末ごとに親しい職場の友人と大阪市内の図書館や簡易宿泊所を探したことがある。
就職していっこ下の後輩で、同じ部署で仕事をし、同じアパートに10年近くいた。ちょっと猫背で浅黒い丸い顔。
暖冬だけど、やっぱり冬は寒い。今頃この寒空のどこにいるんだろう。何を食ってるんだろう。
何を想っているんだろう。
もう探さない。残された家族は気の毒だが、
どうか元気で。
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