憧れの西鎌尾根は、どこにある
8月13日:
5:00起床。その前に、隣でテン泊していた「京大 散策の会」のことを。
山岳部でもなくワンゲルでもない「散策の会」とはこれまたなんじゃいな?てなどーせチャラいサークルの連中がノリで来ました〜みたいな目で見ていたのだが、
なんのなんの。
雷雨でこっちが緊張する中、彼らのテントは冗談で笑い声がたえず聞こえていた。翌朝も、午前三時に起床し、暴風雨の中巨大な10人用テントを音も立てずに撤収し、真っ暗な中次の山へと出て行った。朝五時にはまさに「もぬけのから」。よく訓練され統率のとれたすごい集まりのようだ。
おっちゃん感激しましたよ。
今回、ここに来た目的は「小槍」に登るため。
50メートルロープを2ピッチ、戻りは全て懸垂下降で。
残置や終了点の情報ももらい、当然小屋在住のアルパインガイドの方にも助けてもらってと色々準備したのに、雨降り止まず。岩が濡れていては手も足も出ない。
停滞して明日もう一度やるか?双六岳に移動するか?天候は回復するという予報だが、今は全くその気配が無い。停滞してあす晴れるのか?岩、乾くのか?
雨の中のテント撤収にはもう慣れた。けれど、濡れた装備の重さがこたえる。気持ちの重さはもっと、、、こたえる。
野生のブルーベリーを見て、癒されるでもなく、手を差し伸べて口に入れるわけでも無く。
この時はただ、この五厘夢中から早く抜け出したい思いばかり。
下ばっかり向いて歩いてたら、両手にハンディカム持った人が雨の中カッパも着ずにヒョイヒョイ軽快に歩いて来る。チュートリアルの福田くん?、、、似てるけどなんか違うし。すると先に小池さんが「あ〜!あ〜!」と気が付いた。
先日だったかBSでみた、2017年にシスパーレ北東壁という標高7000メートル近いえげつない冬季未踏峰を登って、ビオレドールアジアを受賞された中島健郎さん本人。
びつくり。
TJARの同行カメラマンとして先頭ランナーのその前を先回りして走ってる最中だとか。ものすごいオーラが。
速いとか強いとかどーとかこーとかでは無く、なんとしても生きて帰る強い意志を持つ人のオーラ。
こっちのしょんぼりが一気に盛り返した瞬間でした。
7:25槍の肩発〜11:35双六小屋テン場着
行動食はソイジョイ1本と、アルファ米で作ったちらし寿司。甘いのと辛いののコンビは正解。
TJARのトップ選手通過。わずか数日で劔超えてここまでくるって、なんなん!?その凄さ。
ずぶ濡れのテントを土砂降りの中で建てるという二重苦を味わった後、定番のピーマン肉詰を作成。
小屋に素泊まりという弱気な発言していたけど、上空からこの彩りを見た瞬間、それは吹き飛び、自分もその色の一つになりたいと思ったので
お一人様500円、水は飲み放題。
地面は水平で水捌けは最高。ここをベースにして、槍や三俣、鷲羽への日帰りをする人の多いこと。
勉強になる。
水洗トイレあり。小屋にマッチ、ライター売ってないから予備持つこと。スマホの電波はほとんど入らない。ソフトバンクが唯一遅い速度で、テン場で入った。
夜、雨再び。
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