近くて遠い、槍
タイトルは間違い。正しくは「遠くて、遠い、槍」。
随分前から敬老の日・三連休使って久しぶりに槍ヶ岳触りに行こうと計画してたら、まー来るわ来るわまさに「台風一過一家」。
今年は特に台風の進路がオカシナ事になってるので、天気予報がまったくアテにならないし。上高地から王道ルートでイクか、時間短縮で槍平からイクか。
結論として”槍登頂は無理なんじゃないか”という天気の崩れ予報にしぶしぶ従ったものの、もう魂は先に山へ行ってしまっていたので、かすかな望みは”槍を見に行く”ことに。
メモ:新穂高ロープウェイ乗り場前11:30出発~鏡平山荘16:30到着。前半の、わさび平山荘までの林道歩きは長く単調。サンダルでも歩ける。そこから鏡平山荘までは殆どが石済みの階段で疲労困憊。
土曜の午後、雨降ってないけど高曇り。天気がよければ西穂高見える筈なんだけどな。このあと標高を上げて行ったらとうとうガスの中。まっしろけ。ま、予想通り?なんだけどやっぱり息をのむ景色を見たかったな。
受付で、素泊まり6,500円払って二段ベッドへ。さすがにキャンセルが相次いだのか、布団一人一枚確保。
明るくて清潔な小屋。トイレは簡易水洗。ただ、室内に自炊場がなくて、表のテラスか小屋裏のテーブル。小屋裏のテーブルは屋根付いてるけど、外来用トイレの前だからニホイが、、、。
陽が暮れたころから雨脚が強くなりだし、真夜中は窓を叩く音までしてた。でもこのときは「ま、明日は下山するだけだし、稜線歩くワケじゃないから、ノンビリ朝寝して8時ごろ小屋出ればいいや」って快適な布団にくるまってた。
しかし。
~9月18日翌朝~
午前4時ごろから起きだす人が少なくない。雨全然弱まってないのによーやるわ、しかも上まで登っていく相談とか、まったく信じられんわ、、、てな事を思いつつまだまだ寝る。回りがどんどん出発してゆくので、仕方なくヨロヨロ起きて持参のパンとスウプでぼんやり朝飯くって出すもの出して。その間も、雨、全然弱まらん。
小屋の液晶TVが映し出す天気予報は単調に雨を表示してるだけ。けどなんだかもう一人の自分が「やばくなるから早く降りた方がいいぞ」って言ってる。
念のため、小屋番のおっちゃんに聞くと、途中四か所ある沢は普通に溢れる可能性があり、特に一番幅の広い沢は鉄砲水で橋が無くなったことがあると。
このあとは必死だったので写真撮ってない。
嫌な予感的中。前日登った道はすべて川っていうか小滝になってた。
喉渇いたり腹が減ったりもあったけど、休憩は最小限にとどめてともかく歩いた歩いた。「流される可能性のある橋」を渡り切ってやっと一息。
安全地帯・わさび平小屋につくなり、会話もできないほどの雨が降ってきた。
時期同じくして、当初計画していたルートはさらに酷い状況だったもよう。
”嫌な予感”っていうのは数年前に濁流を無理やり渡歩して膝が震えるほど怖かった体験が沁みついてるからだろう。痛い目にあうと、それ向きのアンテナが鋭くなっていく気がする。
聞いたことのないような音を出して川が暴れていた。こういうとき人間は、逆らわないのが一番。
つらい山になったけど、行って良かった。そして
無事帰れてよかった。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
過去の経験が生きたナイス判断ですね!
おつかれさまです!
投稿: arkibito | 2016/09/20 12:48
●arkibitoあにき、どうもありがとう。経験値が上がる前に死なないようにしたいです(汗。
投稿: ロラおとこ | 2016/09/20 14:18
谷も細く急なので一気に水が集まってほんと怖いですね、、、
投稿: PEANA2 | 2016/09/20 17:34
ロラアニキ
ご無事に帰還何より
経験を積むたびに「ヤバイにおい」に敏感になりますね
投稿: KAZZ | 2016/09/20 21:09
●PEANA2 アニキ、渓流釣りもなかなかスリリングと聞きます。どうかお互いご安全に。
●KAZZにーさん、ありがとうございます。望んで危険な所へ行くわけではないのですが、自然の豹変は恐ろしいですね。
投稿: ロラおとこ | 2016/09/21 08:14
このルートは天気急変で様相が一変しますね。なめては線のでしょうけど、ルートによって天気にもっと気を使わんとあかんのでしょうね。
投稿: さかじい | 2016/09/23 18:53
●さかじいあにき、槍沢ルートのヒトの多さと対照的に、静かでいい道なんですが、今回は完全に天気予報あたりました。とほほ。
投稿: ロラおとこ | 2016/09/25 11:51