下山を振返る
運動:通勤往復+立ち飲み
飲酒:ビンゴヤで大瓶、日本酒、しろワイン、あかワイン、おかきを食べながら
槍ヶ岳山荘は一晩中ものすごい風雨にさらされて、建物がグラグラ揺れて夜中に何度も目が覚めた。とくに便所でしゃがんでるときが一番怖かった。薄い窓に暴風雨が叩きつけて、こらぁうんこの最中に窓破れたら全身びしょぬれくそまみれでどこかへそのまま吹き飛ばされてしまうのかなと、そーゆー末路を案じた。
朝になっても自分たち含めてあと4人の登山者がいたけど、だれも出発しようとしない。
ご自慢の腕時計を見る。
生まれて初めて「698ヘクトパスカル」という数字を見る。そしてまだまだ下降しようとするグラフを見て気が萎える。午前7時30分、ここで決断しないとこの日中に下界にたどり着けないので、気合でカッパ着て突撃開始。
有能な隊員たちが選んだのは”東鎌尾根”というルートで下山する案。ガスで足場が全く見えない槍沢の雪渓を下ってクレバスに落ちて上高地まで超特急で流されるより、痩せ尾根で暴風に吹き飛ばされて一気に千メートル落下するほうが殉職としてのレベルは高いという理由か?ビギナーにはわからんが、なんかそんな感じで話が決まった。
実際は「尾根」いうダケあって、右からも左からもえげつない風がガーガー吹いてきて(びゅーびゅーでは無い)、立ってられんで時々しゃがんだり岩に隠れたりそんな命削るようなトキに限って尿意をもよおす俺の膀胱、しかも壊れたように10分おきに。高山病の症状に頻尿ってあるのか?知らんがともかく頻尿につぐ頻尿。俺にゴアテックウスのパンツくれ!いう危機的状況はこのあと上高地まで続くのだ。
そんな折も折
風雨に打たれまくって疲労で落ち込む俺様に、次のアミューズメントあらわる、、、。
隊長権限で「わし登りたない!」と言うと、隊員たちは一斉に「登らな帰れません」と言う。
まわりには駅もバス停もないし、タクシーも流してない。
あきらめて登る。
”か隊員”が登ってくるのを上から見る。後方は”奈落”。
このあともまぁ盛りだくさんのアミューズメントがあって、登山道という名の川を歩き倒して初日に泊まった”槍沢ロッジ”の屋根が見えたときはこれで頻尿と恐怖から開放されるわやった!やった!と思ったが、
「降雨量が危険ライン超えたので、上高地の道路は全面閉鎖されましたよ」と何を言っているのかワケがわからんことを山小屋のおっさんが言う。
ここまで下山してきたのに「停滞決定」。あー、平湯温泉で予約してた宿も温泉も飛騨牛ステーキも全部パーじゃ~、こーなったらこの山小屋でやりたい放題やったると決めたので、やりたい放題やった写真はこちら。
頻尿と戦った男の後ろ姿。河童橋は何事もなかったように一般トラベラーで盛り上がっていた。
”か隊員” ”お隊員”どうもお疲れお疲れ。槍の山頂でアロハ着てウクレレ弾く夢はついに叶わなかったが、隊長は十分満足だ。また行こう!
追伸:
「山を舐めるな」。ぺろぺろ。
実際のとこ、現場にいくまでこんなにリスキーな遊びだとは思わんかった。巷にあふれる山雑誌には「ザック買ってピラピラした服着てサァ!老いも若きも槍目指そうぜ~!」とあおりすぎ。天候が安定したナイスな週末にいけば、布団一枚で4人一緒に寝る密着就寝が待ってるし、晴れたら晴れたで紫外線を全身に浴びながら長い登りをユクことになるしで、まったく甘くわ無いかんじ。
”おととい歩いた道が無い”とか、”きのう無かったのに川が増えてる”とか。
山は偉大であ~る。山は怖いのであ~る。山にごまかしは、効かないのであ~る。
また行きたいのであ~る。
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コメント
ローラー師匠、こわ~、あぶな~、エげつな~。私やったら死んでますな・・・
投稿: これしき | 2010/07/15 12:01
濡れたはしごを見ただけで、股間ヒューヒュー♪
あっ!救助保険入らなきゃ!
先輩達はきっと二皮ぐらい剥けむけのおっとこまえになったんでしょうなぁ。
投稿: 酔いどれチロリ | 2010/07/15 12:28
登るのは怖いです
本当に怖い
投稿: 腕時計 | 2010/07/15 13:10
●これしきアニキ~、地図にはサラッと「梯子」の文字だけ。何メートルの梯子なのかとか、どんなシチュエイションの梯子なのか、想像するしかない現実、、、泣。
●酔いどれチロリあにき、豪雨だったのでちびったこともわからんほどでしたよゴアテックスのブリーフなう。
●腕時計さま、コメントありがとうございます。高度計が位置確認に大いに役立ちましたよ。
投稿: ロラおとこ | 2010/07/15 15:17
雑誌の北ア特集読みましたが、
何か大事な部分が抜けてますよね。
手を離せば「あの世」とか、すげえ体力が必要とか
強調して欲しいところです。
リスキーな部分が「男」を引き付ける魅力なのではありますが。
投稿: DANGER | 2010/07/15 17:36
読了しました。
まぁどないかなるやろ、って考えが
通用せん世界を堪能させていただきました。
投稿: わがお | 2010/07/15 20:21
こんなすごいところ行って生還しながら、さらりと書いてしまうなんて「男気ムンムン」ですなぁ。
ワタシのようなヘタレ一般ピーポーが足を踏み入れちゃいかんところのようです。
どんどん高みに進んでおられますが、ワタシらを奮い立たせる(震わせる)レポートよろしくです。
投稿: KAZZ | 2010/07/15 22:18
アニキ、無事生還で何よりです。
読んでるだけで冷や汗かいて喉が渇いて、ビールおかわりしてしまいました。
でも、下山するとまた行きたくなるようですね。
山って恐ろしい...
投稿: たーさん | 2010/07/16 00:12
無事の生還、何よりでございます!
また行きたくなる、、、そこが山の怖さですね!
投稿: KAT | 2010/07/16 00:54
●DANGERさん、天候のベストシーズンに行けば、楽しい楽しいで終われるのかなぁと思いますが、危険であることは忘れないようにしたいです。
●わがおあにき、寒さ、高さ、濃霧、全てが怖かった~
●KAZZアニキ、やっぱり「街サイコー!」爆
●たーさん、自転車で高いトコへ行ったときの感動や見えた景色、そのさらに上に何があるのかな?という素朴な思いが私を登山へと駆り立てましたな~。ヒトは危ないことが好きなのかなぁ。。。
●KATあにき、遭難保険とか山小屋とかお金かかる遊びですな。けど、また、、、いきたい!
投稿: ロラロラ~ | 2010/07/16 10:48
臨場感たっぷりの写真ですね。
あのアミューズメントを前にしたら、私も「帰る」と言ってしまいそうです。
しかし、おっさんには似つかわしい黄色い声でワーワーキャーキャー言うてみたい気もします。
複雑です(笑)
投稿: PEANA2 | 2010/07/16 12:36
●PEANA2あにき、別件ですが今回のカメラは大当たりでした。暗い部屋でもストロボ無しでバッチリです。雪渓の広さも25mmは期待通りでした。一眼への道か、、、笑
投稿: ロラロラ~ | 2010/07/16 14:45
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投稿: UGG 新作 | 2011/09/05 16:29