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2009/11/17

「美章園温泉」について

美章園温泉について。(全然知らない人の日記をリンク)

小学校から帰ってお昼ごはん食べたらやることないしなー、友達の豆腐屋の佐々木君の家まで歩いたらちょっと遠いし、洗濯屋をやってる両親は忙しいから相手してくれへん、しゃーないから家の前のでっかい風呂屋がまだ準備中やし湯船ゴシゴシ洗うの見ながら風呂屋のおっちゃんに遊んでもらおー。
「湯」てかいてある重たい暖簾を押してというか背が届かんので直立で素通りして重たい引き戸あけたら番台の上でおばちゃんがお釣りとか貸しタオルの用意とかしてはって、そのままバーって走っていこおもたら「ひろぼん!まだ風呂やってへんで!おかあちゃんと夕方おいでや!」と背中から聞いて、そのままタイル冷たい洗い場にダッシュ。

ちょうどおっちゃん、水風呂の中洗ろてはって足が冷えて真っ赤っか。電気風呂は湯を抜いてないから黒いまんま。普段地獄のように熱いサウナは普通のタイルの冷たい部屋やし、戦争から帰ってきた片足無いおっちゃんが立って入ってる深い方の湯船も今やったら湯抜いてるからしゃがんで座れるし、いっつも湯なかったら友達読んで遊びまくれんのにな~。
天井の方ドンドン音鳴ってんのは、市場のおばちゃんらがダンスの練習に商店街の人ら呼んでるとか言うてたけど、踊ってんのか。そうか。
いっつもがっこから帰って空き地で遊んでたら風呂屋の薪あつめてリアカーで引いてる「ヒデぼん」いうハゲの怖い顔したおっさん、お母ちゃんはいっつもゴンタしたら「ヒデぼんに連れていかれるで!」言うてビビラらすけど、ほんまか?ヒデぼん、二階へ行く階段磨いてたけどやっぱり顔怖かったな。あっぶな~。

遊び倒して(邪魔したおして)もう一回番台のおばちゃんとこ行って「なぁなぁおばちゃん、昨日な、友達のな、山野君にな、サンダーバード4号にマブチの水中モーター付けたやつ貸せや言われてな、貸してんけどな、女湯のつながってる穴にな、行ってしもてんけどな、おばちゃん、あずかってくれへてへん?」と聞いたら、シレ~っとして「風呂屋で遊んだバチ当たったんやろ」と言われてしょげる、、、。
「水中なんとかは知らんけど、あんたらウチ来るたんびに引田天功ごっこ言うて、脱衣箱の中に友達入れるのやめや、死んだらおばちゃん責任取らなあかんのん嫌やし」だと。ふ~ん。

20円しかくれへんから風呂上がりにラムネとか飲まれへんやんてかーちゃんに言うたら「家でカルピス飲んだらええやん」って言われてへこむ。ある晩、風呂屋の隣の西村パーマがごっつい火事なって火の粉バーバーうちに飛んできて逃げる用意してたら消えてびっくりした。隣が風呂屋やから絶対燃えへんやろなと父ちゃんいうからなんで?できいたら「なんでもや」て言われた。大人はいっつも「なんでもや」でおしまいにしたがった。
風呂屋で山野君のお父ちゃんの背中に青色の絵とかなんかの花の絵が書いてあってタオルで洗ろてんのに落ちひんからなんで?でかーちゃんに聞いたら「なんでもや」て言われたし。山野君のお父ちゃんのこと言うたらあかんて言われてなんで?て聞いても「なんでもや」てしか言えへんし。

中1まで毎日入ってた風呂屋がいつのまにか文化財になってていつのまにかマニアの間で有名になってていつのまにか取り壊されてマンションになった。佐々木君と山野君と毎日毎日2時間近く過ごした風呂屋。思い出とか懐かしさとかそんな特別な場所と違って、ただ、家に風呂が無いからそこへ行く、しゃーないから風呂屋へ行く、いつか家に風呂が付いたら風呂屋なんか絶対行くもんかと思いながら通った風呂屋。

もう無い風呂屋、番台のおばちゃんも、タイル磨いてたおっちゃんも、薪拾てたヒデやんも、みんな今、どこにおるん?大きいサイズのミリンダかペプシ飲むのが夢やったのに。大人になったら鏡の前のポマードとかバイタリスとかエムジーファイブ付けたかったのに。

おばちゃん、おっちゃん、ヒデやん、どっかでまたあおね。

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コメント

あにき、銭湯懐かしいです。
私の旧実家も、風呂がありませんで…徒歩3分の銭湯に
行ってました。
なんか、銭湯で大人のマナーとか覚えたように記憶してます。
そうそう!ダンプ松本の親父さんが常連で、背中を流し
合ったのが懐かしいです。

投稿: bfz | 2009/11/18 01:25

ひろぼん! ええ話やね。

投稿: 峠の山賊 | 2009/11/18 06:18

同時代、うちの近所にもやっさんっていう
やましたきよしなにいちゃんがいてました。
手首に直にマジックで描いた腕時計をはめてて
自慢されたことがあります。

投稿: わがお | 2009/11/18 09:02

うちの近所に5軒ありましたが今も営業してるのは1軒だけです。
風呂屋で飲んだフルーツ牛乳と風呂屋の前の駄菓子屋の冷やしあめが思い出です。

投稿: AUeno | 2009/11/18 09:05

アニキの話きいてて、オイラもランニングシャツ着て鼻たらしもって原っぱ走り回ってた時分に戻った気がします。
アニキ、懐かしい思い出を思い起こさせてもらい、おおきに!(笑)

投稿: さかじい | 2009/11/18 11:55

うちの父親と母親の実家がお風呂屋さんでした。
裏でおっちゃんとおがくずを蒸気機関車のように燃やした思い出があります。おばーちゃんにお願いして1回だけ番台に座らせてもらいました。子供ながらにしあわせでした。

投稿: uechicchi | 2009/11/18 12:28

なんかココロ温まるエエ話しですやんか。
この文章って出すとこ出したらなんかもらえんのちゃいます?
そおいや足のないおっちゃんとかいてました。
最近見ませんねえ。。。

投稿: M | 2009/11/18 13:19

心がとってもセピア色。
少し切なく、でも暖かい映画のよう。
肴になりますありがとう。

投稿: ぱぱろぐ | 2009/11/18 18:53

●bfzあにき、ダンプ松本嬢の背中流したら凄いとおもふ、、、笑。銭湯ええっすよね~。
●峠の山賊あにき、当時は家に風呂がある友達うらやましかったなぁ~。シャンプーハット持ってる友達もうらやましかったな~。
●わがおあにき、目に浮かびますよ->自作時計(笑)。愛すべき「妙な」にいちゃんって昔はちょいちょいいましたよねぇ。
●AUenoあにき、牛乳の紙の蓋をあける特別な千枚通しがほしくてほしくてたまりませんでした。
●さかじいあにき、あの頃はワケもなく元気でワケもなく走りまわりワケもなくお金が無かったですね、どこの家も(うちだけかな?)。夏はバカみたいに熱くて、冬はアホみたいに寒かったけど、いつもハートは燃えてましたね。
●uechicchiあにき、今の子供は「大人の仕事や行動」に憧れをもつことが少なくなっている気がしますね。僕らはほんまに幸せなセピアの時代を通ってきましたね。
●Mあにき、石切りさんの参道、白い服着てアコーディオン引いてるじいさん、いましたね。子供のころはちょっと怖くてちょっと興味ありましたわ。
●ぱぱろぐアニキ、なんでもない風景の毎日が、今はとても懐かしいです。当時はなんもなくてつまんないなぁと思いながらも幸福な時間が流れていたのかなと、最近ちょっと思うようになりました。

投稿: ロラおとこ | 2009/11/18 22:12

実家の向かいが風呂屋だったんですが、いつの間にか取り壊されて駐車場に。
更地になってみると思っていたより狭くて、びっくりしました。

投稿: KAZZ | 2009/11/18 22:56

アニキいつも読ませてもろてます。
この話、なんか泣いてしまいました。
アニキ、せっしょうだっせ〜。

投稿: デルピエロ | 2009/11/19 10:13

●KAZZあにき、銭湯ってものすごく不思議な空間でしたよね。子供のころには武道館のように広く思ってました。
●デルピエロあにき、こんばんわ。ちいさいころの夢を最近ときどき見ます。目が覚めると夢だとわかって安心したり切なくなったり、おっちゃんになると感情が複雑ですわ(笑。子供のころに出会った大人たち、今、その大人たちと同じ年ごろになって、自分ははたして思った通りに年とったのかなぁと、最近見つめてみたくなりました。

投稿: ロラおとこ | 2009/11/19 21:51

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