
那覇市内にあった、アントニオ猪木酒場とかいう店。「元気ですかぁ~~~~!!!」。
元気なワケ無いやろ、この雨だぜの巻き:
先頭集団がなんとか見え隠れする位置で登り頂上到着。普通に苦しんだけど、例年より早くたどり着いた感覚でこれはエエゾとおもいつつ、懸案のダウンヒル開始。雨脚は一向に弱まる気配なし。けれど、初っ端のトンネルで地獄の現代アートを山盛り見せつけられたし、雨で路面はパカパカに光ってるし、さっき曲がった下りコーナーで自転車ごと溝に落ちて顔だけこっち向いてたヒトおったし、この期に及んで自分の気の弱さがカラダ中の毛穴から出んのがわかった。
もうひたすら「こわい」。こわいこわいの100連発。あとから来るヤツ来るヤツに”ごぼう抜かれ”ました。続く左コーナーで豪快に追い抜かれた直後、でその豪快君、切り替えしの右コーナー行ったら、、、「おれへん」。なんちゅう速度で下るねんこの雨の中信じられへん理解できへんありえへんと思ってたら、ガードレールの向こうにぶら下がっていたのが視界の隅にありました。遠心力に逆らうべからず->豪快君。
苦手ではないけど、どっちかいうと下りは得意なタチでは無いので、なおさら遅さ際立つ。なんていうか、「ロードレースで下りがダメなのは致命傷」。プロのように下りアタックが出来ればというのではない。”せめて集団と同じ速さで下りましょう”それが出来無いとまったくお話にならんというところ。
自分のレースはここでおしまい。でも悲しくはない。臆病な自分が選んだのは「安全」のほうだから。もちろん走る前の空気圧もそれようにセットしてあるけれど、この時は気持ち悪いぐらい慎重になってしまったよん。ともかく、登りと平地は今までやってきた練習の成果をちゃんと発揮しようとがんばってみました。

沖縄県庁近くにあったモスバーガーの黒板。「冬服を着るのが楽しみです」ってカワイイ字で書いたある。この地ならではの楽しみがおっさんにも伝わりますよ、戻ると寒い大阪でしたけど、万感の思いをこめて、明確な四季のある土地のシアワセを噛み締めて、この冬は寒さを満喫しようと思いました。それに気づかせてくれてありがとうね、モスバーガーのおねいちゃん。
それでも名護を目指すんだぜの巻き:
路面が滑るのは、なにも下りだけの話ではない。あとでパチョ君に聞いたら同意された。登りで立ち漕ぎしたら後輪がすべるすべる。いったいぜんたいヤンバルの舗装はナニでできておるのだ?雨用の空気圧にしてこれだから、無意識にパンパンに空気を入れている選手はどうなってしまうじゃい???
ともあれこの雨の中でも、例年通り通過する村々の応援は熱い、熱すぎる。太鼓や鍋を叩いて、大声を張り上げて、車椅子にちょこんと座ったばあちゃんがヒラヒラ手を振って、普段は大阪で悪行三昧やって呑みまくってときどき鞄とか上着無くして小池さんにぼかすかに叱られてるおっさんに「がんばれ」と。大人になってあからさまによその見ず知らずのヒトから「がんばれ」なんて勿体無いお言葉いただけるのは本当にシアアセです。
しかし関門通過の厳しい厳しい制限時間は刻々と迫ります。一時も手を(足ですけど)緩めることは許されん。ああそれなのにそれなのに、小さな水筒に入れた高価な補給用ジェルがでんでん飲み口から出てこない!頼みの綱は水筒にいれたグリコ乳業の怪しげな粉末を水に溶いた液体だけ。東シナ海に出る最後の坂道を下る最中から雨脚さらに強まる。も~、おれのコンタクトレンズ奪うな!ゆうぐらいえげつない雨が目を刺し、見えへんし、ブレーキ効けへんし、突然橋のつなぎ目のでこぼこ出てくるし、あ~も~俺ははよゴールして風呂入って宴会してビイルと泡盛致死量呑んで名護の夜を満喫して布団で寝たいんじゃ~もう苦しいのはいやじゃ~とか思いながら、残る平地へ。

那覇市内にあった公衆便所の注意書き。どうやってここで宿泊すんねん->オキナワ!!!
最後はいつもちょっと切なかったり:
最終関門を無事に抜けて海辺に出ると、毎回のように安堵と無念が交錯してとても妙な気持ちになります。安堵は勿論無事に帰ってきたことに対して、無念は・・・やっぱりホビー部門といってもロードレースは”チャピンピョンスポーツ”であり”ゲーム”であるから、競い合いの外にポツンと一人放り出されているのはちょっと悲しいかな。じゃぁゲームの中心にいられるようにもっともっと、残り360と数日自転車に傾倒する温度を高めればいいのだろうけど、まぁそおしない中途半端な自転車との付き合いも、悪くないと思ったりしますしね。

往復の飛行機で読んだ機内誌の一節を借りるとこうなる。
「今シーズンも大した自転車選手じゃなかった。でも明日もやっぱり自転車選手でいよう」。
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